数えきれないほど沢山あるという意味の慣用句に『星の数ほど・・・』という言い回しがあります。
そういった言葉に出くわす度に科学大好き人間の筆者えびかずきは、星の数ってどれくらいなの？と言うどうでもいいことが気になって仕方がありません笑。
ということで今回は、
星の数ってどのくらいあるのかについて、身近なものと比較して感覚的にその数量をイメージを掴みたいと思います。
星の数ってどれくらいあるの？
まずは全宇宙の星の数が一体どれくらいの数あるのか？ということを調べる必要があります。まず我々の住む天の川銀河には約2千億個の星が存在していると言われています。*1
じゃあ銀河って宇宙にどれくらいあるかというと最近の研究によれば、全宇宙には約2兆個もの銀河が存在することがわかってきています。*2*3確定的な星の数を算出することは難しいですが、現在までの研究結果によれば、2千億（\(2×10^{11}\)）個×2兆（\(2×10^{8}\)）個と概算することができそうです。よって全宇宙の星の数は、約\(4×10^{23}\)個と見積もることができます。
大きな数と比較しよう！
星の数がどれくらいあるかはわかりましたが、\(10^{23}\)個なんて言われても想像がつきません！というわけで身近なものの数と比較してみます。
１カップの水の分子数
\(10^{23}\)と言われて理系の人間であればまず第一に思いつくのがアボガドロ数だと思います。という事は身近なものの原子数や分子数と比較をすればいい勝負になるんじゃないか？ということが容易に想像できます。今回は我々にもっとも身近な水で比較をしてみます。
水１カップは180mLです。水の密度は1.0g/mLですので、すなわち180gの水が入っていることになります。水分子H2Oの分子量は18g/molなので１カップの中には、
$$180g ÷ 18g/mol=10mol$$
の水分子が詰まっていることになります。
1molはアボガドロ数\(6.02×10^{23}\)個の事を意味しているので、１カップの水分子の個数は、
$$10 × 6.02×10^{23}=6.02×10^{24}個$$
ということで\(約6×10^{24}\)個ということになります！
これをすべての星の数約\(4×10^{23}\)個と比較してみると約15倍の数となっていて、なんと１カップの水分子の数の方が大きい結果となりました。
勝負あり、水の勝ち！
目薬容器の水分子数
１カップの水では少し多すぎたので、もう少し星の数に近くなりそうな身近なものはないかと辺りを見渡してみるとカバンの中から丁度良さそうなものが見つかりました。
そう、それは目薬です！
うん、見た感じ丁度良さそう。
ということで目薬容器の中が水で満たされていると仮定をして分子数を計算してみましょう！
容器の注意書きを読んでみると、今回発見したロートCキューブ目薬の容量は13mLとのこと、密度を1.0g/mLとすると13gの水が入っていることになります。
水分子H2Oの分子量は18g/molなのでこの目薬容器の中には、
$$13g ÷ 18g/mol=0.72mol$$
の水分子が詰まっていることになります。
これを例によって個数に換算すると、
$$0.72 × 6.02×10^{23}=4.3×10^{23}個$$
ということで結果は予想通り、全ての星の数\(4×10^{23}\)個と同じくらいの結果となりました！
目薬容器の水分子数は、星の数と同じくらい！
まとめ
全宇宙の星の数とコップ一杯の水分子の数を比較してみた結果、コップ一杯の水分子の数の方が15倍くらい大きな数となることがわかりました。さらに考察を進めると、全宇宙の星の数は、目薬一個分の水分子の数と同じくらいだと言えることがわかりました。
このことを頭に入れておくと、誰かに星の数ってどれくらいあるの？と聞かれた時にも難なく対応できそうです。（←たぶん一生ない笑）
今回の推算で、無数にあると思われた星の数もミクロな視点での分子の数と比較することで、大凡の感覚を掴むことができました。
全宇宙の星の数が、あんなにちっちゃな目薬容器の水と同じくらいだなんて、にわかには信じられない説明ではありますが、実際計算したらそうなるのだから仕方がありません。
もしもだれかに聞かれるようなことがあればドヤ顔で説明しようと思います笑。
最後に夜空の星を手持ちのiphone8で撮影してみました。暗くてあまり見えませんが、ここにおちょこ一杯分くらいの水分子があるんだなあと思ってみてください。
